廃溶剤類
産業廃棄物にあたる廃油は、産業の過程で排出される使用済みの油を指します。
一口に廃油と言っても色々な種類があり、その1つが廃溶剤類です。
この廃溶剤にも様々な種類があるので、今回は名古屋で廃油のリサイクル事業を展開する有限会社ゼンユーが廃溶剤類について解説しましょう。
廃溶剤類にはどんな種類があるのか、回収された廃油はどのようにリサイクルされるのか知りたい方は読んでみてください。
■廃溶剤の種類
溶剤とは、石油や油脂工場などにおいて有機物といった物質を溶かすために使われる液体です。
独特なニオイを発し、ほとんどの溶剤は引火性があるので、廃棄された溶剤は適切に処理やリサイクルをしなければなりません。
廃溶剤類もたくさんの種類がありますが、中でも代表的なものは以下の通りです。
・シンナー
油性の塗料やペンキを希釈するために使用する溶剤です。
粘度のある塗料に加えると粘度が下がり、ハケやローラーの後を残さず綺麗に塗ることができます。
また、塗料を溶解する働きがあるので、塗料が付着した塗装道具の洗浄やはみ出した部分を落とすために使われることもあります。
シンナーは油性塗料用とプラモデルなどの塗装に使われるラッカー系塗料用の2種類があり、主に主成分に違いがあります。
油性塗料用では脂肪族炭化水素を主成分にしており、灯油に近い臭いが特徴的です。
一方、ラッカー系塗料用はアルコールや芳香族炭酸水素と呼ばれる化合物が主成分で、油性塗料用よりも高い溶解性があり、乾燥が早い性質を持ち、シンナー独特のニオイを発します。
・アルコール
構造に水酸基を持つ物質で、水生の汚れを落とす性質を持ちます。
乾燥性が強いので、他の溶剤と組み合わせて用いるケースが多いです。
アルコール系溶剤は他と比べると有害性が低く、人体にも優しい溶剤と言えます。
その一方で、引火性が高いので取り扱いに注意が必要です。
・ベンゼン
ベンゼンは芳香族炭化水素の有機化合物です。
分解ガソリンなどから抽出され、化学品の原料や溶剤などにも用いられています。
無色透明の液体で、芳香性の独特な香りを発します。
引火性が高く、また肌や目に与える刺激が強く、長時間かぐと発がんや呼吸器障害などを起こすリスクがあり、適切な処理が必要です。
・トルエン
芳香族炭化水素の一種で、芳香族のベースであるベンゼン環にメチル基が1つ加わった有機化合物です。
メチルベンゼンやトルオールなどとも呼ばれています。
無色透明な液体で、シンナーのにおいの元であるため強い刺激臭を発するのが特徴です。
そのため、悪臭防止法にて規制されています。
・トリクロロエチレン
炭素・水素・塩素の3つから構成される有機塩素化合物の一種です。
独特な臭気を放つ無色透明の液体で、貴金属部品の洗浄や工業用の溶剤として使われています。
その一方で、体に溜まると肝臓や中核神経の機能に障害をもたらし、他にも発がん性も疑われています。
有害性があるため、水質汚濁防止法や大気汚染防止法など複数の法規に該当します。
・バークロルエチレン（テトラクロルエチレン）
不燃性の液体で、空気中で蒸発しやすく甘めの悪臭を放つ化合物です。
悪臭性が強く、空気中にわずか1ppm（1mgに相当）含むだけでもにおいを感じてしまう程の強さです。
大半が溶媒に使われており、ドライクリーニングや金属製品の油落としなどで用いられています。
密閉された空間で来料に蒸気を吸い込むと中核神経がマヒし、他にもめまいや頭痛、吐き気、意識不明の状態などを起こすリスクあります。
■廃溶剤をリサイクルする方法
ゼンユーでは工場などから出る廃油および廃溶剤を回収し、不純物を取り除いて再利用する事業を行っています。
実際に回収された廃溶剤はどのようにリサイクルされるのか、ゼンユーの廃油再生処理工程をご紹介しましょう。
①加熱蒸発
回収された廃油は余分な水分を取り除くために加熱し、水分を蒸発させます。
②液体分離
デカンタと呼ばれる分類機により、液体と汚泥などの固形物を分離させていきます。
③不純物を取り除く
デカンタで液体と固形物が分離されると、続いてはろ過装置を使って廃油の不純物を取り除いていきます。
④再び加熱蒸発
不純物を取り除いた廃油は再び加熱し、余分な水分を取り除きます。
そして、再生されたオイルは保管され、タンクローリー車を通じて産業用燃料として向上に供給されます。
今回は廃油の一種である廃溶剤類とリサイクル方法についてご紹介しました。
廃油および廃溶剤は引火性が高く、さらに毒性を持つものも多いので適切な処理が必要です。
本来は廃棄物として処分されますが、不純物を取り除けば再度産業用油・溶剤に生まれ変わらせられます。
この取り組みは環境にとっても良いことです。
ゼンユーは愛知県および名古屋市を中心に回収から製造・販売までもワンストップで行っており、高品質なリサイクル重油を提供しています。
これからも産業廃棄物や資源の適性処理を通じて、循環型社会の構築や地球環境の保全、持続可能社会の実現に貢献していきます。