燃料油系廃油
私たちは仕事や生活のあらゆるシーンで「燃料油」を活用しています。
例えば、自動車はガソリンで動きますし、ボイラーで蒸気を発生させるのにも燃料油が使われています。
そんな燃料油で使われなくなったものは廃油として処分する必要がありますが、どのように処分されるのかご存知でしょうか?
そこで今回は、燃料油系廃油とはどういったものか、燃料油系廃油を処分するにはどうすれば良いのかをご紹介していきます。
■燃料油系廃油とは?
そもそも、燃料油というのは石油製品の中でも灯油やガソリン、重油、ナフサ、ジェット燃料油などの燃焼によってエネルギーを引き出す油の総称です。
灯油やガソリンは日常生活でも活躍する燃料油になりますが、重油は灯油やガソリンに比べて火力があり、船やボイラーなどを動かす燃料に用いられています。
ナフサは原油を蒸留分離したもののうち、沸点範囲が約30~180℃のもので、粗製ガソリンとも呼ばれています。
その中で沸点範囲が小さい「軽質ナフサ」はエチレンプラントの原料に、沸点範囲が高い「重質ナフサ」はライターのオイルやランタンの燃料として使われることが多いです。
ジェット燃料油は名前の通り、ジェット機の燃料に使われている燃料油となります。
このような燃料油を使用する場合、使い切る前に余ってしまうこともあるでしょう。
例えば石油ストーブを使っていたが春になって使う機会が減り、石油がまだ残った状態になっているケースは比較的見られます。
こういった使い切れないケースや古くなってしまった燃料油を、燃料油系廃油と言います。
廃油にも様々な種類がありますが、食事に使用される食用油以外で暮らしにより身近なのは燃料油系廃油です。
■燃料油系廃油の処分方法
燃料油系廃油をそのまま水道に流してしまったりすると、環境汚染を招いてしまう恐れがあります。
場合によっては下水処理場の機能がストップしたり、広範囲で悪臭被害が出たりする可能性もあるでしょう。
燃料油系廃油を下水に流し、その犯人として特定されると5年以下の懲役または1000万円以下の罰金が科せられてしまうので注意する必要があります。
ただし、灯油やガソリンなどの燃料油が大量に余ってしまっても、自治体が回収するゴミの日に出すことはできません。
少量(50~100cc程度)であれば新聞紙などに含ませて燃えるゴミとして処分できる場合がありますが、自治体によって異なるので注意してください。
大量の燃料油系廃油を処分するには、ガソリンスタンドで引き取ってもらうか、専門の廃油リサイクル業者へ依頼します。
ガソリンスタンドを選ぶ場合、それぞれの会社によって対応できない店舗があったり、灯油やガソリンを購入した店舗でなければいけなかったりするので、あらかじめ確認してからスタンドへ運び入れるようにしましょう。
■燃料油系廃油はリサイクルできる
燃料油系廃油を処分するなら、専門の廃油リサイクル業者へ依頼し、もう一度使える状態へリサイクルしてもらいましょう。
リサイクルすることで新しく使用する燃料油の量を減らすことができ、環境汚染の軽減を目指せます。
燃料油系廃油のリサイクルは、まず各施設や事業所から廃油が収集され、再生処理工場へと運搬されます。
原料タンクに廃油を保管しておき、工場内の施設で加熱して余分な水分を蒸発させます。
続いてデカンタを使って液体と固形物を分け、さらに液体の不純物を取り除くためにろ過装置を使って除去するのです。
さらに再び加熱して水分を除去し、製品タンクに保管しておきます。
このように、燃料油系廃油はリサイクルでき、産業用燃料として活用されます。
なぜ産業用燃料に使われているかというと、リサイクルされると一部を除き、ほとんどが重油に再生されるため、産業用燃料に活用されているためです。
また、遠心分離機などで取り除かれた汚泥などは焼却処理され、残渣灰は最終処分場へ運ばれます。
■燃料油系廃油のリサイクルは循環型社会の構築につながる
世界にある資源はどれも有限であり、近い未来に天然資源が枯渇してしまう可能性が示唆されています。
現在は日本を含む世界各国で天然資源の消費をできるだけ抑え、環境への負担を減らす「循環型社会」を目指しています。
循環型社会で重要になってくるのが、3つの「R」です。
・Reduce(リデュース)
・Reuse(リユース)
・Recycle(リサイクル)
リデュースは生産・消費の場面で廃棄物をできるだけ減らし、リユースでは廃棄されるものを再使用します。
そして、廃棄されたものは適切な処理を行って別の形に再生利用するのがリサイクルです。
この3Rによって循環型社会を構築することができます。
燃料油系廃油も限られた資源を最大限生かしつつ、適切な処理を行って新たにエネルギー資源を生み出せます。
現在の環境保全はもちろんのこと、これからの未来を考えて燃料油系廃油のリサイクル事業が行われているのです。
今回は燃料油系廃油のリサイクルについてご紹介してきました。
愛知県半田市に事業所を構えるゼンユーでは、名古屋エリアの燃料油系廃油を回収・リサイクルする事業を担っています。
独自の処理技術を用いて、高品質なリサイクル重油を生み出すこともでき、多くの産業施設で活用されています。
もし名古屋市周辺で燃料油系廃油の処分を検討されている方は、ゼンユーまでお気軽にお問い合わせください。