産業廃棄物と一般廃棄物の違い

廃棄物は大きく分けて産業廃棄物と一般廃棄物の2種類があります。
同じ廃棄物でも、それぞれにどのような違いがあるのか知らない方も多いでしょう。
そこで今回は、名古屋市で廃油リサイクルや産業廃棄物の回収などの事業に取り組む有限会社ゼンユーのスタッフが、各廃棄物の定義や違いについて詳しく紹介します。

■産業廃棄物と一般廃棄物の定義

まずは産業廃棄物と一般廃棄物とは何か、基本的な定義からご紹介しましょう。

・産業廃棄物
産業廃棄物は事業活動において発生した特定の廃棄物のことです。
この事業活動は企業や工場だけではなく、自治体、学校、NPO、地域団体などの活動も含みます。
産業廃棄物を細かくすると、爆発性や毒性、感染性のある廃棄物は特別管理産業廃棄物に該当します。

・一般廃棄物
産業廃棄物にあたらない廃棄物全てが該当します。
細かく分けると事業活動において生じた産業廃棄物以外のものを事業系、家庭の日常生活で出たものを家庭系、廃家電製品に含むPCB使用部品や廃水銀、ゴミ処理施設で集められたばいじん、感染性のあるものは特別管理一般廃棄物と分けられます。

■産業廃棄物にあたるもの

産業廃棄物には、特定の業種に限定されず事業活動の中で発生するもの、特定の事業活動にて発生するもの2種類があります。
具体的に何が産業廃棄物に該当するのか見ていきましょう。

【特定の業種に限らず発生する産業廃棄物】

・汚泥…排水処理や製造業生産の過程で排出される泥状のもの、余剰汚泥、ベントナイト汚泥、建設汚泥など
・廃油…鉱物性油、動物性油、潤滑油、溶剤、洗浄油など
・廃酸…写真定着廃液、廃硫酸、廃塩酸、酸性廃液
・廃アルカリ…写真現像廃液、廃ソーダ液、アルカリ性廃液
・燃え殻…石灰がら、焼却炉の残灰など
・廃プラスチック類…合成樹脂や合成繊維、合成ゴムのくず、固形・液状の合成高分子系化合物
・ごみくず…生ごみ、天然ゴムくず
・金属くず…鉄鋼や非鉄金属の破片、研磨・切削くずなど
・ガラスくず・コンクリートくず・陶器くず…板ガラスなどのガラス類、製造過程で発生するコンクリートやモルタル、セメントなどのくず、廃石膏ボードなど
・鉱さい…鋳物廃砂、電気炉などの溶解炉かす、不良石灰など
・がれき類…工作物の新築・改築・除去で発生したコンクリートやアスファルトの破片など
・ばいじん…各法規で定められたばい煙発生施設や特定施設、産業廃棄物焼却施設で発生し集じん施設で集められたばいじん

【特定の事業活動で発生する産業廃棄物】

・紙くず…建設業の工作物新築・改築・除去で発生するものや、パルプ製造・製紙、紙加工品製造・新聞、出版、製本、印刷加工業から発生する紙くず
・木くず…建築業での工作物新築・改築・除去で発生するものや、木材・木製品製造、パルプ製造、輸入木材の卸売・物品賃貸などで発生するおがくず、バーク類など
・繊維くず…建築業での工作物新築・改築・除去で発生するものや、衣類・その他繊維の繊維製品製造以外の繊維工場で発生する木綿・羊毛などの天然繊維くず
・動物性残さ…食品製造工場や医薬品製造、香料製造業で発生するあめかす、のりかす、発酵かす、魚・獣の内蔵といった固形状のものなど
・動物系固形不要物…屠畜場や食鳥処理場で処分された獣畜・食鳥に関する固形の不要物
・動物の糞尿や死体…畜産農業で排出される動物の糞尿や死体

上記にあたらない廃棄物は一般廃棄物で処理されます。
ただ、紙くずなど一部は日常生活でも生じるゴミです。
産業廃棄物に当てはまるものは製造の工程などで生じるごみなので、製紙工場などは当該します。
しかし、院内やお店で使った紙くずは製造工程で生ずる廃棄物ではないため、一般廃棄物で処理が必要です。

■処理の責任の違いについて

産業廃棄物と一般廃棄物では処理の責任にも違いがあります。
一般廃棄物の場合は市町村内での処理が原則なので、廃棄物が発生した場所で処分します。
一方、産業廃棄物は都道府県を超えての移動が可能で、処理の責任は不用品を排出した事業者本人にあります。
そのため、事業者は事業活動において発生した産業廃棄物はしっかり責任をとり、適切な処分が必要です。
産業廃棄物は処理業者と委託契約を締結し、マニュフェストを準備して適切な方法で処理をしましょう。
もし正しく分別せずに出すと不法投棄とみなされ、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が科せられるので注意してください。

今回は産業廃棄物と一般廃棄物の違いにご紹介しました。
産業廃棄物は業種を問わず事業活動において発生する不良品が処分の対象となり、処理責任は事業者にあります。
一方、産業廃棄物に該当しないものが一般廃棄物で、処理責任は市町村にあるという点が大きな違いです。
それぞれ間違った分別で捨てるとペナルティをくらうことになるので、正しい知識を持って処分しましょう。
ゼンユーは愛知県・名古屋市を中心に廃油リサイクル事業以外にも、産業廃棄物の回収と分析も行っています。
回収された産業廃棄物は中間処理を行い、リサイクルや二次処理先へと送り届けられるようになっています。
法に基づいて適切な処理が可能なので、産業廃棄物や廃油などの回収にお困りの方はゼンユーへご相談ください。